ソムリエの
お話し
SOMMELIER


24 プロセッコがトレンド

暑い季節には何が飲みたいですか?
「とりあえずビール!!」という声がどこからともなく聞こえてきそうですが・・・

この夏はおしゃれに「プロセッコ」はいかがでしょうか?

プロセッコは北イタリアのヴェネト州からフリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州にまたがる比較的広範囲の地域で造られるフレッシュなテイストのスプマンテ(スパークリングワイン)です。(一部スティルワインもあります。)
グレーラという品種の白ブドウを85%以上使用し辛口タイプから中甘口タイプまでありますが、おすすめはスッキリとした辛口のブリュットや優しい甘みのあるエクストラドライ
香りは華やかで青リンゴや洋ナシ、白桃などの新鮮なフルーツと白い花のアロマ、軽く爽やかな飲み口でアフターのかすかな苦味が心地よく、飲み手の気分を盛り上げてくれるチャーミングで喜ばしい味わいを持っています。
しかも価格はお手頃。イタリアでは「プロセッキアーモ!(プロセッコを飲みに行こう!)」という言葉もあるくらいプロセッコは親しまれており、イギリスやアメリカ、ドイツでも大人気、年間生産量はなんと5億本以上といわれ、今や世界のスパークリングワイン市場で圧倒的なトップの座を占めるのがプロセッコなのです。

このプロセッコの故郷ともいえるヴェネト州トレヴィーゾ県のヴァルドッビアーデネに2018年8月下旬に行ってきました。
DOCGコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ-プロセッコが生産されるところ、プロセッコ生産地域の中でも聖地のような特別なエリアで傾斜や土壌が複雑に入り組む美しい丘陵地帯です。
このブドウ畑の景観が2019年7月7日にユネスコの世界遺産に登録されました。複雑で険しい地形ゆえ、この地域ではリーヴェと呼ばれるクリュ(単一畑)の概念があります。
現在43のリーヴェが認められており、リーヴェ表記のされたワインは、畑の傾斜や向き、標高、微気候、土壌などのテロワールの個性が表現されているワインといえます。

私が訪れたなかで最も印象に残っているのは「カルティッツェ」、プロセッコのグラン・クリュともいわれるヴァルドッビアーデネの中でも一際小高い丘、日当たりの良い崖のような急斜面です。
カルティッツェは小さなエリアでわずか107ヘクタールほどしかありませんが、所有者数はなんと140。つまり単純計算で1所有者あたり0.76ヘクタールしかないのです。その最上部(標高約300メートル)に約3ヘクタールの畑を持つビゾル社に案内してもらいました。

写真)
カルティッツェの丘の最上部からヴァルドッビアーデネを望む


写真)
リーヴェ
「カルティッツェ」

 

 

 

 

そしてカルティッツェはプロセッコの生産地域の中で最も歴史的なエリアで樹齢の高いブドウの樹が多く、収穫は手摘みで10月初旬ごろ、やや遅めの収穫です。
十分な甘さを蓄えたグレーラから造られるワインは残糖が1リットルあたり約25グラムとやや甘め。クリーミーな泡ときめ細かな酸、心地よいミネラル感があり、優雅なデザートタイムに楽しみたい特別なプロセッコです。

ビゾル社ではワイナリー屋外のテラスでテイスティングさせていただきました。
プロセッコは明るいうちに屋外で飲むと最高です。


写真)ビゾル社でプロセッコをテイスティング

 

 

 

そしてもうひとつ印象に残ったリーヴェが「ファッラ・ディ・ソリーゴ」、こちらはアダミ社に案内してもらいました。雨上がりのファッラ・ディ・ソリーゴはひんやりと澄んだ空気に包まれ、どこか神秘的で心が洗われるような感覚がしました。こちらも標高が高く約350-400メートルの急傾斜の斜面です。


写真)リーヴェ「ファッラ・ディ・ソリーゴ」からの眺め


写真)グレーラ

 

 

 

 

 

そしてこちらもまたカルティッツェ同様、細かく所有者が分かれています。
収穫は9月中旬頃からの予定。アダミ社のファッラ・ディ・ソリーゴのグレーラから造られる「コル・クレダス」は残糖が1リットルあたり4グラムとかなりドライな味わい。キレがあってミネラル感豊か、ドライ好きな方にぜひ試していただきたい個性的なプロセッコです。

写真)アダミ社のプロセッコ

 

 

 

非常にスッキリとした辛口からまろやかな中甘口までバラエティに富むプロセッコ。
洋食とはもちろん、和食との相性もバッチリです。

プロセッコの主流はエクストラ・ドライという辛口すぎないほんのり甘みを感じるタイプのもの。
和食にはお砂糖を使いますよね。少し甘みのあるお料理にプロセッコは反発せず寄り添ってくれます。

気軽に楽しめるプロセッコからテロワールを表現した特別なプロセッコまで、一口にプロセッコといっても様々なタイプがあります。
その日の気分やシチュエーションに合わせて洋服を選ぶような気軽さで「今日のプロセッコ」を選んでみてはいかがでしょうか?

この夏はみんなで、プロセッキアーモ!!