ソムリエの
お話し
SOMMELIER


15 スワリングの効果とマナー

レストランやワインバーでグラスをクルクル回して飲んでいる人をみかけると、通っぽくてカッコイイですよね。
私もワインを飲み始めた頃、そんなふうになりたくて、家でこっそり練習したりしました。


ワインの入ったグラスを回すことを「スワリング」といいます。そしてこのスワリングには大切な意味があるのです。

①空気に接触させる

未開栓のワインは酸素と触れていない状態、還元状態にあります。つまり眠っている状態です。ワインをグラスに注ぐことによりワインを目覚めさせることができますが、さらにグラスの中のワインを回し空気と触れさせることにより、ワインの持つ複雑な香りを十分に引き出し、開かせることができます。また、味わいも、なめらかにまろやかに変化させる効果が期待できます。

②空気に触れる表面積を広げる

スワリングによりグラスの内側にワインが広がり、薄く付着します。香りが揮発するための表面積が大きくなり、その分、香りのボリュームが大きくなります。
このようなスワリングの効果だけを聞いてしまうと、回せば回すほどいいような気がしてしまいますが…

いくつかの注意点があります。

すべてのワインがスワリングすれば良くなるわけではありません。
いくら回しても変化しないものもありますし、反対に悪くなってしまうものもあります。

スパークリングワインは基本的にNGです。スワリングするとせっかく含まれている泡が抜けてしまいます。
スティルワインに関しては、そのワインの種類、ポテンシャル、状態によるので、様子をみながらスワリングしていただくのがいいかもしれません。白ワインも赤ワインも、果実のボリューム感のある、しっかりと樽熟成をしたフルボディタイプのワインのほうが効果が分かりやすいと思います。またグラスに注いだ瞬間からしっかりと香りを感じられるものに関しては、ほとんど回す必要はありませんし、すべてのワインに言えることですが、回し過ぎは禁物です。

また、スワリングするときはグラスにあまり注ぎすぎすぎないようにし、右手でグラスを持っているときは反時計回りに、左手でグラスを持っているときは時計回りに回してください。万が一ワインがグラスから飛んでしまった場合、同席の人にかからないための最低限のマナーです。慣れないうちは、グラスをテーブルの上に置いたままゆっくり回してみましょう。